ツァイト・フォト・サロンの創始者である石原悦郎の評伝。

 
ツァイト・フォト・サロンは1978年に創業しました。日本で最初の写真のコマーシャル・ギャラリーです。このギャラリーは、どうして誕生したのでしょうか?写真が芸術作品として日本の美術館のコレクションに含まれるようになってから約40年が経ちます。この30年間は、石原がギャラリーを開設してきた歴史と重なり合います。一体どうやって写真が美術作品とみなされるようになっていったのか、という写真史上の問いについて考えるきっかけにもなるかもしれません。

 

<内容>

石原悦郎が写真画廊を始めた頃は写真が未だ雑誌の為の印刷原稿の域にとどまり、オリジナル・プリントに対して、芸術的な価値はまったく認められていませんでした。彼はいかにして、今日のように写真家がアーティストとして活動し、写真が芸術作品として社会に認められるような状況を作り出したのでしょうか。そのことは表舞台にいる写真家だけを見ていては知り得ないことです。石原がフランスで世界的巨匠であるアンリ・カルティエ=ブレッソンやブラッサイらと交流し、その経験を国内作家にも伝えながら、独自に「アートとしての写真」を広めようとした活動は、結果的に植田正治を世界に発信し、荒木経惟、森山大道といった世界的写真家の輩出するという大きな果実をもたらしました。写真がアートになるために必要なことを総合的にプロデュースした、いわば日本写真史の影の立役者が石原悦郎という人物です。石原の眼を追体験できる本書は、日本写真史への理解を深める一冊となると思います。

 

<目次>

第1章 日本で最初の写真画廊

第2章 パリで出会った巨匠たち

第3章 オリジナル・プリントの夜明け前

第4章 荒木・森山の時代

第5章 つくば写真美術館の夢と現実

第6章 写真家たちとつくる新しい写真

第7章 コレクションに託された未来  
 

 

『写真をアートにした男 石原悦郎とツァイト・フォト・サロン』粟生田 弓

¥2,376価格
  • 判型/頁:4-6/322頁

    発売日 :2016/10/11

    出版社 :小学館

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